【このサイズは事件です】Anker Prime Wall Charger 100W

レビュー記事

 この記事では、今回ANKERから発売されている個人的に現時点最強充電器だと思っている つよつよ充電器「Anker Prime Wall Charger 100W」を詳しく見ていきたいと思います。

 レビューの前に価格を言っておくと「定価9,990円」と充電器としては高額ですね。
高級充電器です。高級充電器なんて初めて言葉にしましたよ。

私はAmazonの黒い花金のルーセー(ブラックフライデーセール)で購入したので、7,490円でしたが、それでも高額な部類に入ると思います。

ただ、充電器を見ていくとこの価格でも不満はない仕上がりになっていますが、若干メーカーHPの説明と違う動作をする部分もあったので、既に購入した人、これから購入しようとしてる人は是非最後までチェックしてみてください。

充電器概要

スペック

  • 端子:USB-A×1、USB-C×2
  • サイズ:約 60 × 42 × 39 mm
  • 重量:178g
  • 最大出力:100W
  • その他:折り畳みプラグ対応、PPS規格対応

注目ポイント

合計出力100Wの大電力で充電が可能で、PDはもちろんの事、拡張規格であるPPS(Programable Power Supply)にも対応しており、対応製品と接続すれば超急速充電を使うことが可能です。

また、出力構成に注目です。
この充電器は、単ポート使用で最大100W(USB-Aは最大22.5W)、2ポート同時使用でも合計最大100Wまで出力可能です。

※ここから出てくる画像はすべてクリックで拡大できます。

引用:Anker公式サイト
引用:Anker公式サイト
引用:Anker公式サイト

注目すべきはこの2ポート同時使用時です。
世の中の充電器の中には、同じようにUSB-Cを2ポート搭載している充電器でも、「同時使用時は片方60W出るけど、もう片方は18Wまでしか出ません」的な仕様が多いです。

そんな中、この充電器はメーカー発表で2ポート同時使用で合計100Wいけると書かれており、特にポートに出力制限があるわけではなく、合計100W以内で組み合わせ不要で使用できるという点は、非常に注目ポイントとなります。

※ただこの後の検証で衝撃の事実が判明します。

外観

 早速充電器の外観を見ていきましょう。
全体的にはマットブラックを基調としたデザインで、手触りもさらさらとしており触感も良しです。
指紋も付き難そう。

コンセントプラグは格納式で、収納時に突起物が極力ないフォルムになるので、持ち運びが多い方は助かるのではないでしょうか。
プラグはトラッキング防止処理もされています。

さて、肝心の接続口ですが、USB-Aが1つ、USB-Cが2つ搭載されています。
USB-Cは、画像の向きで中段が上のポート、下段が下のポートだそうです。

ちなみに中段のポートにはパソコンのマークが、下段のポートにはスマホのマークが意味ありげに書かれていて、周囲は大根おろし作れそうなギザギザデザインとなっています。
※後でこのマークの真意を思い知らされます。

手のひらに収まるサイズでびっくり。これ100W出力できる充電器ですからね!
イメージ的にはハムスターぐらいの大きさかな。

ポート間は狭い

この充電器、ポート間の距離が結構狭くて、フルで挿すとキチキチになります。
コンパクトなコネクタなら問題なく使用することができますが、変にコネクタがでかかったり、変換コネクタを使用していたりすると、全ポートをうまく使えないかもしれないので、その点は注意ですね。

実際に充電してみた

外観を適当に見終わったところで、さっそく出力を確認していきたいと思います。

単ポート充電

いきなりこの充電器の真骨頂である100W充電を試してみたいと思います。
使うのは同じANKER製のモバイルバッテリー。

こいつはメーカー説明で最大100W充電できるという触れ込みで発売されていました。
今まで100W出力の充電器なんて持ってなかったので、確かめることができませんでしたが、今回ついに検証ができるぞ!

PDで100W充電を行うには、USBケーブルは100W/5A対応かつeMarkerチップ搭載品を使用しなければなりません。
そこら辺のPD対応品だと最大で60Wまでしか出せないので注意してね。

ちなみに今回私が使用したケーブルは、UGREENの100W/5A対応ケーブル。
5A対応ということで少し太めだけど、しなやかで取り回し易いのでオススメです。
本当はANKER製で探していたんだけど、1m前後でホワイト系でナイロン仕上げの製品が無かったのでUGREENに浮気しちゃいました。

さぁいざ充電開始!!

100W張り付きとはいきませんでしたが、一つの壁である60Wを超えた95Wで充電されています。
5W程度は誤差と考えてもいいのかなと思うので、とりあえずはちゃんと100W給電されていることがわかりましたね。

続いてパソコンを充電してみましょう。
今写っているMSIの高級感あふれるPCは、65WのPD充電に対応しています。
さて、しっかりと65Wで充電されるのか?

ご覧の通りちゃんと充電されていますね。さすがANKER。

続いて使うシーンが多いスマホ充電を試してみましょう。
スマホは今回2台使用し、Galaxy S23 UltraとXperia 5 ivを使います。
Galaxy S23 Ultraは先述のPPS対応で超急速充電2.0に対応しているため、規格上は45Wで充電できます。
Xperia 5 ivはPPS非対応なので、通常のPDで18W前後で充電されるんじゃないかと予想してますが、結果やいかに。

Galaxyについては若干充電制御なども入っており、45Wとはいきませんが、9V3A以上で充電されているので、規格上は45W充電されています。

Xperiaも予想通り18W前後で充電されているので、ばっちぐーですね。

2ポート同時充電

さてここからはUSB-C2ポート同時使用で計測してみましょう。
使うのは先ほど登場したモバイルバッテリーとPCです。
モバイルバッテリーは中段に、PCは下段に接続しています。

いざ充電開始。

あれ?出力がかなり低いですね。合計しても100W出てないです。

ポートを入れ替えて、モバイルバッテリーを下段に、PCを中段にしてみます。

やはり合計しても100W出てないですね。かなり下回っています。

今度はスマホとPCを同時充電してみます。
スマホは中段ポートに、PCは下段ポートに接続します。
スマホはせいぜい40Wぐらいまでの消費電力なので、PCは60W前後に充電されないとおかしいはずです。

PCの充電速度が異常に遅いですね。

この結果から推察するに、メーカーHPには説明がないけど、おそらく2ポート同時使用時は出力制限がかかっています。
さらにいうと、中段のポートが60W前後で制限がかかり、下段のポートが30W~40Wで制限が掛かっています。

話が違うじゃないかANKERさん!!
2ポート使用時は柔軟に100Wまでの出力で充電できると思っていたのに!ムキー

さて皆さん、外観紹介の時にポートに意味深なマークがあったのを覚えていますか?
そうです、中段ポートにパソコン・下段ポートにスマホのマークがありましたよね。

つまりそういうことで、初めからこの製品は2ポート使用時は出力制限が掛かる仕様で、中段に電力を使用するパソコンを接続して、少ない電力のスマホは下段を使用してくれというANKERからの暗号だったのです。

確かにメーカーの説明ではこう書いてあります。

両方のUSB-Cポートを同時に使用する場合、PCの充電には上部ポートをご使用ください。

こういう説明はかなり回りくどくて、ミスリードの原因になりますよね。
PC2台充電する場合どうすればいいの?ってなりますしお寿司。

なので、はっきりと2ポート同時使用時は、「中段は60Wまで・下段は40Wまで制限が掛かります」と記載してくれていれば良かったのに・・・

ちなみに以下の画像ではパソコンが30W前後の充電になっていますが、同時充電していたモバイルバッテリーを切り離すと65Wに戻ったので、出力制限確定演出が出ました。

この動作を知らない人は、ポート関係なく使用していると本来の充電速度よりも遅い速度で充電されていることになります。
先ほどのスマホとパソコンの例がそれに該当しますね。

なので、より電力を必要とするデバイスは中段に、そこまで電力を必要としないデバイスは下段に接続するようにしなければなりませんので、ここは覚えておくように!!

3ポート同時充電

3ポート同時充電は、言わずもがな2つのCポートと1つのUSB-Aポートと分け合って充電されます。

長時間高出力充電は結構熱くなる

コンパクトな充電器の宿命かもしれませんが、長時間高出力充電を行うと、結構本体が熱くなります。
メーカー的には許容範囲内で、ある程度熱くなっても大丈夫内容に設計はされてるみたいです。

火傷するほど温度は上がりませんので、不意に触っても問題はないですが、びっくりはすると思います。

もし長時間充電してすぐに取り外すようなことがあれば、充電器本体を触る際に少し気を付けて触れるとよいかもしれません。

総評ポイント

さて、ここまでいろいろ見てきたAnker Primeの充電器ですが、良かったところと微妙なところをまとめると以下のようになります。

Goodポイント
  • 100Wなのに手のひらに収まるコンパクトサイズ
  • PD非対応機器も充電できるUSB-A端子搭載
  • PPS含め様々な充電規格に対応
注意ポイント
  • 長時間高出力充電を行うと、本体が結構熱くなる
  • USB-Cは同時使用で出力制限が掛かる
  • ポート間が狭いので、コネクタ形状によっては刺さらないケーブルがありそう。

100W出力で手のひらに収まるコンパクトサイズは非常に魅力的ですが、2ポート同時充電時の出力制限が少し面食らったような気持ちです。

メーカーHPには明確にその点が記載されていないので、測定器を持っていない方は多分一生わかりません。

もし2ポート同時使用で充電する場合は、より充電速度の速いデバイスを中段ポートに接続して、それよりも低い速度のデバイスは下段のCポートに接続すると効率的に充電できるでしょう。

Macなどの90Wクラスのデバイスをフルスピードで充電したい場合は、単ポートで使用するのが一番良いと思います。

まぁなんにせよ、この大きさで100W出力かつPPSも対応しているという全部入り充電器は、現時点ではこのAnker Prime Wall Charger 100Wぐらいしかないので、荷物を減らしたい方などにはおすすめかと思います。

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